Ancient Capitals of Asuka and Fujiwara

飛鳥・藤原の宮都

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飛鳥・藤原の宮都とは

「飛鳥・藤原」は、6世紀末期~8世紀初頭にかけて日本列島中心部で誕生した最初の中央集権体制の形成過程を、2つの宮都の変遷から示す文化遺産です。中国・朝鮮半島諸国との政治的・文化的交流により、外来文化の導入と日本固有の伝統との融合を通じて独自の発展を遂げました。

この資産は、奈良盆地南部の飛鳥の小盆地と藤原の平野部にかつて存在した2つの宮都から成ります。「飛鳥の宮都」は天皇の宮殿に政治権力を集中し周囲に官衙群を追加した形態、「藤原の宮都」は平野部の一つの宮殿内に大極殿・朝堂院・内裏・官衙群といった統治機構を集約した形態です。これら2つの宮都の変遷は、中国の律令制度を模範とする中央集権体制に基づく宮都の形成過程を示し、平城京・平安京へと続く日本の宮都造営の出発点となりました。

歴史

約1,400年前

飛鳥

「日本」を築いた時代

西暦592年の推古天皇の飛鳥豊浦宮での即位から710年の平城京遷都までの約120年間を飛鳥時代と呼びます。この時代には遣隋使の派遣、憲法十七条の制定、乙巳の変、大化の改新、壬申の乱、大宝律令の発布など政治改革と政変を繰り返しながら「日本」という国が形づくられました。

舒明天皇以降、宮殿は飛鳥宮に継続して営まれ、飛鳥時代の宮殿の構造は当時の国作りの思想をあらわす形で発展しました。律令国家制度の整備にあわせて官衙(役所)が増設され、宮殿の周囲には庭園、水時計台、祭祀施設などが配置され、当時の国家の充実度を示しています。

飛鳥時代には、はじめて寺院が建立され、仏教が広まりはじめます。588年造営開始の飛鳥寺をはじめ、橘寺、山田寺、川原寺など多くの寺院が林立しました。これらは東アジアからの渡来人や留学生による技術導入でもたらされた瓦葺礎石建物で、掘立柱建物の飛鳥宮殿と対照的です。

飛鳥時代は、古墳文化の終末期にあたり、巨大な前方後円墳から中国文化の影響を受けた方墳、天皇中心の世界観を表現した八角墳などの形に変化しました。中でも、高松塚古墳やキトラ古墳の壁画には壁画が描かれ、東アジア世界の思想・芸術の伝播を示しています。

約1300年前

藤原

宮都・古代都市の誕生

飛鳥盆地が手狭となったため、盆地北西方向の平地において律令制度に基づいた天皇中心の世界観を基調とする宮都の造営が計画され、西暦694年に藤原宮が誕生しました。

藤原宮は大和三山のほぼ中央にあり、高さ5.5mの大垣によって約900m四方の宮城が囲まれ、中心部に内裏・大極殿・朝堂院が並び、初めて中国風の瓦葺礎石建築が採用されました。

その東西には二官八省の役所群がいくつものブロックを形成していました。これは、飛鳥の宮殿とその周辺にあった官衙(役所)群が藤原宮ではひとつにまとめられ、飛鳥時代に徐々に形成・発達してきた中央集権制度が確立したことを示しています。

藤原宮を中心として、碁盤目状の道路網を張り巡らせた条坊制都城の街区が広がり、その範囲は大和三山をも含む、一辺5.3km四方にも及びます。官人は位に応じた宅地を与えられ、京内には役所や寺院も配置されました。藤原宮の南東と南西には、国家寺院として大官大寺や本薬師寺が建立され、これらは藤原京の筆頭寺院でもありました。特に大官大寺の九重塔は「鎮護国家」を象徴するものでした。

飛鳥で形づくられた律令国家体制は藤原宮で実を結び、西暦701年に「文物の儀、是に備れり」と高らかに宣言されたのは、我が国において、新しく整備された都で国の仕組みが整い、「日本」という国家が完成したことを示しています。

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ツアーで巡る構成資産

飛鳥宮跡

「飛鳥の宮都」の中核をなす4代の宮殿

飛鳥時代の4代の天皇が政治・儀式を行った宮殿。代替わりごとに遷っていた宮殿が、初めて同じ地に造られることとなりました。

酒船石遺跡

石垣をめぐらせた山に眠る水の祭祀跡

丘の上にある酒船石と下の谷にある亀をかたどった石槽に流れる聖なる水を使い、天皇による祭祀が行われました。

藤原宮跡

律令国家「日本国」が完成した宮殿

約1km四方の宮殿の中央に大極殿、周囲に朝堂院や役所を集約し、中央集権体制を体現しています。

飛鳥寺跡

我が国初の本格的仏教寺院

我が国で初めて造られた本格的な寺院。飛鳥寺建立に導入された知識・技術は宮殿・寺院・古墳の造営に大きな影響を与えました。

山田寺跡

7世紀の建築技術を知ることができる寺院跡

蘇我倉山田石川麻呂によって創建された寺院。東面回廊で最古級の木造建造物が倒壊したままの姿で見つかりました。飛鳥資料館に展示されています。

川原寺跡

唐の影響が色濃い天皇家の氏寺

天智天皇が亡き母である斉明天皇を弔うために建立した寺院。日本独自の伽藍配置を採用しています。

石舞台古墳

中国の影響を受け、有力豪族の墓として採用された巨大方墳

7世紀前半に築造された一辺約50mの方墳。巨石を積み上げた横穴式石室で、蘇我馬子の墓という説が有力です。

牽牛子塚古墳

日本独自に創出された八角墳

7世紀後半に築造された対辺約22mの八角墳。巨石をくり抜いて二部屋をつくっています。

天武・持統天皇陵古墳

藤原宮の中軸線上に配置された八角墳

7世紀後半に築造された対辺約42mの八角墳。天武天皇と持統天皇の合葬陵で、藤原宮中軸線の真南に位置しています。

キトラ古墳

世界最古の天文図や完全な形の四神が残る

7世紀末に築造された直径約14mの円墳。石室には四神をはじめ十二支像や精巧な天文図の壁画が描かれています。

高松塚古墳

東アジアの国際交流を示す極彩色壁画が残る

8世紀初頭に築造された直径23mの円墳。石室には四神をはじめ女子群像や男子群像、星宿図(星座)の壁画が描かれています。

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アクセス

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奈良県立万葉文化館

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投稿

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写真提供:世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会